【ネタバレなし】アサシンクリードヴァルハラ感想~美しい世界~

Assassin's Creed

どうも。
みずたまです。

今回は2020年11月10日にXboxSeriesX|Sのローンチに合わせて発売されたアサシンクリードヴァルハラ(Assassins Creed Valhalla)について感想をまとめてみようと思う。

ゲームタイトルアサシンクリードヴァルハラ(Assassins Creed Valhalla)
対応機種XboxSeriesX|S, XboxOne, PS4, PS5, PC 他
プレイ環境XboxSeriesX
記事を書いた時のプレイ時間75時間

かなり歴史の長いアサシンクリードシリーズだが、本作ヴァルハラ含めメイン作品だけで12作品ある(ちなみにスピンオフを含めると20作品を超える)。しかもメイン作品については(例外はあるが)作品ごと舞台となる時代が変わるため作風が毎回ガラッと変わるので「次はどんな舞台なのだろう」とゲーマーの中で話題になる(その度に次は日本じゃないかと噂が立つのもお決まりだ)。そして本作アサシンクリードヴァルハラは9世紀ヨーロッパのヴァイキング時代(800年ー1050年)が舞台となる。プレイヤーは戦士団のリーダー•エイヴォルとなり、定住地を求め、仲間を率いてイングランドを征服していく。

アサシンクリードを楽しむのであれば必須知識!時代背景を学ぶ

まず、どのような時代背景か

アサシンクリードを楽しむコツとして時代背景を大雑把に把握することはとても重要である。もちろんゲーム内にも全くその時代を知らない人のために人物説明を用意したり、物語中に時代背景を説明するようなシーンが存在する。しかし急に知らない用語がバンバン飛び込んでくるので理解しずらいし、「ここ説明ですよ!」というシーンに気づけないパターンが多いので、事前に知識を入れておく必要がある。

さて、それでは時代背景の説明を簡単にしていこうとする。内容が簡単すぎるのでぶっちゃけご自身で調べた方がいいかもしれないし、筆者自身このアサシンクリードヴァルハラが発売するのでプレイ直前くらいに初めてこの辺の歴史を知ったというレベルだ。ということをあらかじめ釈明しておく。

冒頭にも書いたが時は9世紀ヨーロッパのヴァイキング時代(約800年ー1050年)である。

地理的にはノルウェーとイングランドが舞台の中心。北海という大きい海を挟んで右上くらいにノルウェー、左側にイングランドがある。

このノルウェーに住んでいた人々が新天地(豊かな土地=資源)を求めイングランドに侵略してきた人々をヴァイキングと言っている。このヴァイキングの進行が激しかった時代を本ストーリーは描いている。ちなみに793年のイングランド北部の修道院襲撃が歴史上一番最初のヴァイキングの襲撃と研究されている。これ以降ヴァイキングたちは各地で襲撃を何度も繰り返し行っていたとされている。

イングランドは元々ローマ帝国の属州でブリタンニアという地名で、そこに住んでいた人々をブリタニア人と呼んでいた。時は経ちローマ帝国の崩壊により今のデンマークあたりに住んでいたアングリア人・サクソン人(=アングロサクソン人)が豊かな土地を求めイングランドに移住していく。彼らはやがてイングランドに小国を次々と作っていく。特に大きかった国がノーサンブリア、マーシア、イースト・アングリア、ウェセックス、エセックス、ケント、サセックス。これら7つを7王国とかヘプターキーとか言ったりする。

この中でも有力だったのがウェセックス。このウェセックスで有名な王様エグバード王が現れ、7王国の統一を進めた。
一方この頃ヴァイキングの侵略は激化していてノースアンブリアやイーストアングリア等を制圧していた。このヴァイキングの勢いに待ったをかけたのが、前述したエグバード王や彼の孫であるアルフレッド王である。

アルフレッド王はゲームにもちろん登場

特にアルフレッド王の時にはイングランド在地勢力を集結させ反撃を開始し、勝利することも度々あった。軍整備等も行い優勢に戦いを進めていたがそれでもヴァイキングをイングランドから追い出すことはできなかった。仕方ないので平和的共存を目指しヴァイキング側と条約を結ぶ。これによりイングランドの北東部はヴァイキングの統治するデーンロウ(デーンというのはデンマーク出身という意味。デーンの法律で社会が形成されているのでデーンロウ(デーンの法)という呼ばれ方をしている。)、南西部はウェセックスとアングロ=サクソンが統治する国々なり、勢力(宗教・文化含め)が北と南で二つに割れた形になった。

おそらくこの北と南で勢力が二つに割れている状況からこの物語が始まっていると思う。(違ったらごめん)

アサシンクリードヴァルハラの魅力

筆者自身、このゲームはとても気にいっている。ここではアサシンクリードヴァルハラの魅力ある点を紹介しようと思う。

まず驚いたのが抜群の雰囲気

アサシンクリードというゲームで一番大事と言って良い要素はプレイするワールドの雰囲気だ。本作のワールドマップも最高の出来となっている。まず物語の最初の地であるノルウェーの質感溢れる雪、幻想的なオーロラに心を持っていかれ、新天地であるイングランドの自然豊かな大地、琥珀色にも見える赤く染まった木々、等々最高である。

雪の質感にはまず驚いた
眼前に広がる幻想的なオーロラ
船上で見える水の表現はほんとに美しく、水面に反射している空や木々はゲームの没入感を演出している。
高所から遠くを見た際の開放感もたまらない。

もちろんフォトモードもゲーム中いつでも任意に発動できるので思う存分撮影を楽しめる(イベント中は無理だったかも)。このフォトモードもよくできていてカメラ技術を知らない筆者でも簡単に「っぽい」画像に仕上げることが可能だ。

物語が純粋に良くできている

ボキャブラリーの無い表現で大変申し訳ないが、ほんとに純粋によくできていると筆者は感じた。
新天地を求めノルウェーからイングランドに移住してきたエイヴォル達はまずイングランドの各国々の後ろ盾(=同盟)を獲ようとする。そのためエイヴォルは各国に足を運びその国の偉い人に接触し同盟を試みるが、大体偉い人は困りごとを抱えている。つまり、それを解決して無事同盟を結ぶ…というサイクルで物語は進んでいく。この偉い人の困りごとも様々パターンがあり、どれもその後の展開が気になる内容になっている。1国1ストーリーという感じなのだが、物語の尺はどれも丁度良くできていて、1ストーリごと海外ドラマを見る感じに似ている。以上がメインストーリーの雰囲気だが筆者的にはサブストーリーが特に良い部分だと感じている。サブストーリー(=サブクエスト)はオープンワールドゲームによくありがちなワールドの至る所にサブクエを持っているNPCがいるので話しかけてサブクエ開始という流れだがその場で解決できる点がとてもよかった。どういうことかと言うと、ほとんどのオープンワールドゲームはNPCに話しかけ、サブクエが開始されるとクエストログ的なところに項目が追加されて結構長い期間そこに残っていて消化できる時に消化すると言うスタイルが一般的だ。筆者的にはこの手法はそのストーリーを忘れてしまって「あれ、なんでこんな事やってるんだっけ?」に陥る。これが繰り返されると作業に感じてしまいゲームから心が離れていき最終的に別のゲームに。。。と言うのが大体の流れである。しかしこのゲームのサブクエは一切クエストログに入らず、その場でそのNPCの問題を対処するという手法になっている。このためサブクエストもすぐ終わるのでメンドクサイとは思わないし、行っている事の目的を把握できているので作業感が全くない。今回のサブクエの仕様はある意味発明だったと思う。またサブクエの物語も秀逸なものが多く、頭に斧が刺さってる人や山から飛び降りる人など見所がたくさんあり、ほんとに頭がおかしい人がたくさんいた。

これは荷物を向こうの家まで持っていってくれという依頼。移動中は依頼主がいろいろしゃべってくれる。

口論詩でレスバトル!

前作のアサシンクリードオデッセイにもあったミニゲームである口論詩は今作でも健在だ。この口論詩についてもかなり気に入っていて、日本語ローカライズチームのセンスが輝いて見えた。このゲームの口論詩はまず相手がプレイヤーの悪口を言ってくる。その悪口に対して韻を踏んだ返答をしたり軽くあしらったりする。その返答が上品かそうでないかで勝負が決まる。返答については3つの返答内容から選ぶ事になるが、選んだ後の相手の反応で自分が選んだ返答の評価を確認することができ、「今のは効いたぞ」とか「あんまり強い言葉を使うものじゃない」等感想を言ってくれる。悪口や返答内容の文章も違和感なく見ることができるし、自然な韻になっているので自分の選択にセンスがないと言われても納得できる。口論詩のみならずアサシンクリードは全体的にローカライズが素晴らしく、プレイしてて違和感を感じない。ローカライズチームに拍手を送りたい。

まず相手から悪口を言われる
これに対する返答を3つの選択肢からから選ぶ

ストレスフリーなゲーム性と快適なアクション

アサシンクリードというと高所からアサシンブレードで敵をグサッと刺して、目的の場所へと隠密しながら進んでいく事が一つの醍醐味だ。しかし2作前のアサシンクリードオリジンズから戦闘システム含めゲームの仕様がガラリと変わった。いい面ももちろんあるが悪い面もあり、悪くなった要素の一つが、アサシンブレード(その他武器)で敵をグサッとしても敵がピンピンしている場合があるということだ。これは自分より敵のレベル差が高すぎるとブレードの攻撃力よりも敵の体力の方が大きいため一撃で仕留められないという仕様になってしまったという事。しかも適正レベルで攻略しようとした時、ザコ敵は一撃で仕留められるがそれよりも少し強い敵になると大体体力が残るためそこでバレて隠密失敗という事態が発生していた。このためレベルに応じて攻略できる地域が限定されてしまい、オープンワールドなのに閉鎖感があって筆者自身これにはかなりストレスを感じていた。しかし本作からはオプションから「隠密状態では敵を1撃で仕留める」というスイッチができるようになっていてこれをONにすることでストレスフリーにプレイできる用になった。ちなみにこのオプションをONにしてもゲームが著しく簡単になることはないので全然ONにして構わないと感じた。

オプション>ゲームプレイ>一撃必殺 で設定

戦闘は完全なアクションゲームで攻撃、避け、カウンター、防御を駆使して敵を蹴散らしていくシステムだ。1対多のシーンが当たり前なのである程度はアクション要素が求められる用になっている。今作は体力ゲージとスタミナゲージ?的なものが相手にあり、敵の体力ゲージを0にすると倒せる(自分の場合ゲームオーバー)。スタミナゲージというのは攻撃やカウンターを成功させると減っていき0になると大ダメージを与えられるというもの。スタミナゲージを0にした時の大ダメージを与えるアクションは敵キャラごと特別な演出となっていてかなり爽快感がある。

加工しているのであくまでイメージだがこのようなアクションもある

まとめ

以上の他に素晴らしい点はいくつかあるが特に良い点を挙げてみた。冒頭でも書いたようにアサシンクリードシリーズはその時代背景を簡単で良いので掴んでおくとストーリーの理解が深まり、作品への没入感が増す。そして、最終的には「プレイして良かった」と思えるのだ。アサシンクリード「シリーズ」と言えど、他作との繋がりは現代編と呼ばれる一部の要素だけでゲームの90%はヴァイキング時代なので今作から入るのも良いし、一旦シリーズから離れてしまったプレイヤーにも自信を持ってオススメできる作品となっていた。個人的にはシリーズで一番好きな作品となった今作。この魅力が少しでも伝わったのであれば幸いである。